自慰バレ時制に関する一考察

〇この記事の目的

自慰バレは大変にエロいシチュエーションであるが、未だ(端々で登場することはあっても)エロシチュとしての認知度は高いとは言えず、ひとつのエロ状況としてメジャーな位置を占めているとはいい難い。

ここでは、自慰バレの定義を示すと共に、自慰バレの様々なバリエーションを「時制」という観点から詳述し、そのそれぞれ違ったエロ味わいについて論ずることで、エロシチュとしての自慰バレの地位向上を目指すこととする。

〇議論のスコープ

ここでの「自慰バレ」は、一旦男性向けエロ創作における自慰バレを表すものとする。つまり、基本的には「女性の自慰行為が他人に露見してしまう」状況を指す。男性の自慰行為が露見してしまう状況も、エロ小説の導入的にはしばしば発生するが、ここでは男性の自慰バレについては論じない。

〇自慰バレのエロさの淵源

自慰バレのエロさが、「羞恥」と「葛藤」に根差していることに関しては議論を俟たない。


男性向け創作のエロさには様々なポイントや方向性が存在するが、「女性のエロさ」を描き出すことが一つの焦点となることは前提と考えて良いだろう。その際の方法論の一つに、「羞恥心」及び「羞恥心を感じながらも快感を求めてしまう、という葛藤」というものがある。
つまり、


・エロいことをするのは恥ずかしい
・恥ずかしいから感じたくない
・けれど性欲に負けて感じてしまう


という描写が非常にエロい、ということである(これを「くやしい、けど感じちゃう理論」と呼ぶ学派も存在する)


この際、「自分で性欲のままに快感を貪ってしまう」という点で女性の性欲を大いに強調出来るのが自慰行為であり、かつ自慰行為が一般に「人に露見すると大変恥ずかしいものである」という認識から、羞恥心を大幅にクローズアップ出来るのが自慰バレシチュである。
自慰が他人にバレてしまうととても恥ずかしい。しかし、恥ずかしいのに快感を求めてしまう。ここに性欲を強調するロジックがある。
つまり、「羞恥と葛藤と性欲」という三要素を強調する、その一つの強力な方法論が自慰バレである、という結論を導ける。

自慰バレ時制とは

しかし、自慰バレにも様々なバリエーションがあり、その表現は一様とは言い難い。ここでは、「時制」という観点から自慰バレを分類する。つまり、「どの時点で自慰バレが発生するか」という視点である。

自慰バレには、大きく「過去自慰バレ」「過去完了自慰バレ」「現在進行形自慰バレ」「未来自慰バレ」の4つの時制が存在する。

過去自慰バレ

「過去のある時点で自慰をしたことがバレてしまうこと」が過去自慰バレである。つまり、この時点でヒロインは自慰をしていない。
これは、「昔自慰をしていたことを告白する/告白させられる」「自慰の証拠が発見される、大人のおもちゃが見つかる」「自慰を動画に撮られていて、それを見せつけられる」などのシチュに分岐する。大筋、「自慰以外の性行為」とワンセットに用いられるものであり、例えば「過去自慰の露見から脅迫セックスが発生する」などが典型的なシチュエーションであると考えられる。自慰バレとしてはソフトな状況であると言えるだろう。

現在完了自慰バレ

これは、自慰が完了した直後、つまりイった直後に自慰が露見する、というものである。自慰バレとしてはもっともスタンダードなものの一つと言えるだろう。
このシチュでは、もっとも恥ずかしい瞬間をばっちり目撃されてしまう、ということによる羞恥心の最大化もさることながら、「イった直後で体が敏感になっている」「気持ち良すぎて体が上手く動かない」といった生理的な状況も描写に利用することが出来、なしくずしセックスに持ち込むことも極めて容易である為、非常に使いでのある自慰バレシチュであると言える。

現在進行形自慰バレ

これは、まさに自慰の最中に発見されてしまうという自慰バレであり、つまりヒロインはまだイっていないということになる。これは、「体が高まった状況で自慰を中断されてしまう」という状況によって、その後のなしくずしえっちの大きなスパイス・ないしブースターになる他、場合によっては「発見されても気持ち良さのあまり手を止めることが出来ず、そのまま見られている状態で過去完了自慰バレに遷移してしまう」といった描写も可能となる。汎用性が高い自慰バレである。

未来自慰バレ

自慰バレシチュとしてはマニアックである。つまり、「バレることを承知で自慰をすること」覗かせ自慰、気付いていない振り自慰などがこれに該当する。キャラクター性を強調すると同時に、「何故覗かれることを承知で恥ずかしい行為をするのか」などから描写を掘り下げることが出来る一方、汎用性はかなり限定される、上級者向けのシチュだと言えるだろう。催眠自慰、強制自慰などをこれに分類する学派もあるが支配的ではない。

まとめ

以上、4つの時制という観点から見た自慰バレに関して考察した。
なんにせよ、一つ確言出来ることは「自慰バレは非常にエロい」ということであり、今後も様々なエロ小説において自慰バレが頻出し、自慰バレのエロさを認識する人が増えることを希求すること大である。

何書いてんの?そんな暇あったらエロ小説書いたら?

はい。