創作における狭い世界で戦えない問題

多分この、「初心者でも狭い世界で戦わせてもらえない問題」って色んな分野で共通の話なのかなーと思う。


つまり、最初っから、「その世界の頂点」を常に視界に収めながら活動しなくてはいけない。ランキングで自分の順位も完全に相対化される。そして、なんならその世界の頂点と、SNSで簡単につながることも出来る。


これにはもちろんいい側面もあって、「自分にとっても頂点への道が開けている」ということでもあるし、「いつでも最高のお手本を目にすることが出来る」というメリットもある。それは悪いことではない。


けれど、その頂点、あるいはトップ集団と自分を比べてしまった場合、創作者の意識が高ければ高い程、その差というものは創作者に重くのしかかってくる。「せまーい世界で一旦トップに立って調子に乗る」ということがガチで一切出来ない。その中でくじけてしまって、モチベーションを失ってしまう人ももちろん出てきてしまう。


なろうとかノクターンノベルズにはランキングがある。日間、月間、年間それぞれ、割と信じられないような数字が並んでいる。


なろう 総合ランキング
https://yomou.syosetu.com/rank/list/type/daily_total/
ノクタ総合ランキング(18禁)
https://noc.syosetu.com/rank/list/type/daily_total/



日間で何千ptとかいう数字見てると、「何やったらこんなことになるんだろうなー」とは思う。もちろん面白いし、あるいはエロい。ただ、同じように面白くってエロいように見える、けれど順位的には遥か下に沈んでいる作品を見ると、多分タイミングやらなにやら、それ以外の要素も色々あるんだろうなとも思う。


これ、意識が高くって、研究熱心で、昔なら狭い世界でトップをとれてたような人程辛いんじゃないかなーと。すぐ目の前で、日間一位とか、書籍化とかがんがんやってる人がいて、しかもその人と自分はSNSでつながってたりする。あるいは、自分よりずっとあとから始めた人が、あっさり書籍化を勝ち取ったりする。一方自分の作品は全然読まれない。それで、もうちょっと続けてたらどっかのタイミングで勝ち取れていたかも知れない成功、ないしプチ成功にたどり着けずに折れちゃった人、多分山ほどいるんじゃないかなーと。


ランキングの功罪というものだ。上を目指す楽しさもあるけれど、上と比べてしまう辛さもある。そして現在、それが可視化されていない世界で戦うのは結構難しい。


で、私が大好きな、あるいは滅茶苦茶エロい作品で、続きが何カ月も書かれていない作品の中には、そういう要素で心が折れちゃった人の作品もあるんじゃないかなーと。本当に、私なんかよりずっとうまくてエロい作品がたくさんあるのに。続きが読みたい。


厄介なことに、人生のリソースは有限なので、ここで軽々しく「頑張って続けて欲しい」とは言い難いことだ。趣味で続けるならどんどんどこまでも続けて欲しいけれど、本当にそれで食っていくことを目指しているような人であれば、どこかで路線変更した方が幸せになれる場合も多分あるだろう。それについては軽々しいことは言えない。


ただ、「続ける」という観点に立てば、どこかで「自己満足の方法」を見つけなくちゃいけないんだろうなーとは思う。モチベーション補給のプロトコル。自分にとってのちょうどいいハードルと、それを越える達成感。


自己満足って本来全然悪いことじゃないと思うのだ。駄サイクル?実に結構じゃないか。趣味でやってることを身内褒めで満足して一体何が悪いんだ?


私自身について言えば、ランキングを意識しないわけではないし、上の方を見てほへーと思ってしまうことだってあるけれど、意識は最低空飛行という程度に低いので、特に上を目指したい焦慮に体を焼いたりはしていない。とにかくエリルとかニヴィとか知佳とか美幌とか、自分が作ったキャラと世界が超大好きなので、そこでエロいことやエロくないことが書けて、たまに感想でももらえれば大喜びだ。読んでくださる方もいらっしゃって、割と幸運な方だろうという自覚はある。


で、私自身が好きな作品についても、「もっと読まれて欲しい」と思った作品については、どんどん感想を書くようにしているし、Twitterでも展開するようにしている。それは、感想気軽に書きたいということでもあるけど、ちょっとでもその人のモチベーションになればいいなーと思っているからでもある。


私好みのエロ増えるといいなー。頑張ってる人が報われるといいなー。